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2008.05.27

柴田コレクション総目録

まだ、パラパラ程度しか見ておりませんが、これはいいモノを手に入れたと思いました。
特に、目録がすばらしいですね。

まず、現代の有田焼のそれぞれの柄がいつ頃から見られるようになったのかがわかるということと、文様別の索引があり、例えば鳳凰の柄がどこにあるかすぐにわかる索引があります。

で、そんなものがどう役立つかというと、
あぁ、この柄は1640年代にはあったんだ等ということが理解できます。具体的にどう思うかというと例えば、1610年代に中国製品の模倣で始まった有田焼が、1世代経つ頃にはこんなに和、日本のオリジナルを感じさせる文様を生み出していたのだなぁ、やっぱり日本人の外の文化を取り入れて自分達の文化へ昇華させる力はすごいんだなぁ・・・。例えばこのような事を感じる事ができるわけです。
 過去の品を手本にして現代の品を作った 製作した職人さんにとっては、一つの線でつながっているものが、我々が手にしたときは、その線が見えなくなってしまっています。
そこで、この目録でルーツを探る事で、過去の品と現代の品が一本の線でつながります。
そして、その皿を作った職人さんの古伊万里に対する気持ちに少しは近づけた気分になれます。そこに小さな感動があります。だから何?と思われる方のほうが多いとは思いますが、モノを扱う時は感動がないと結局それは値段だけのお仕事になります。そうではなく、「あぁ、この柄がいい!」「この人の技術がすばらしい!」「この色の発色がいい!」っていう小さな感動の積み重ねがあるのとないのとでは仕事の意味が全然違ったものになると思っています。相場の高低も大事なのかもしれません、でも人々の感性は時代ごとに変遷していくものです。人が決めた価値観も大事かもしれませんが、そればかりに左右されるのではなく、自分の中の価値基準や、感性をもっともっと育てていきたいと思っております。

・・・ここまで書いてふと思ったことが、これってヒップホップのルーツを調べていってファンクにたどり着いた私の過去の経緯に似ているかなと・・・
って事は、現代のやきものにはまってルーツを追っかけている私はそのうち、古伊万里、骨董にはまるのかな?いやいやそれはちょっと恐い世界な気がしますね。(見るだけなら大好きではありますが・・・)
ですから、私は今のところは、あえて現代のものにこだわります。
現代のものをより楽しむための、その元になったルーツのお勉強ですね。

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つぶやき 陶磁器編」カテゴリの記事

コメント

さて、渕上コレクションは全何巻にしましょうか?

コメントありがとうございます。
私は、コレクターではなく商人ですので、私を介してより多くの品物を皆様のもとへ届けたいというのが理想ですから、コレクションは少ないほどいいと思っております。
不思議なもので、思い入れがあるものや、本当にいいモノは売るときは実はかなり辛く、売りたくないという気持ちが出てくるのですが、多くの方へよい品をお届けする。それが私の役割だと割り切るようにしています。
まだまだヒヨッコですが、頑張りますよ~。

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