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2009.04.13

利休にたずねよ

 書籍の存在は知っていたけれど、茶陶にそれほど興味はなかったので、読んでおりませんでしたが、
とある有田の窯元の方のお勧めでしたので、購入してみました。

 読み始めた段階ですが、これがなかなか面白いです。
 茶道というものは、反権力というか、権威を示すための権力者の文化、芸術に対するアンチの意味での芸術と勝手に思っていましたが、誰にも相談することなく、今までぼんやりとそう思っていたその考えを検証させる意味でとても面白いです。

 この本をきっかけに茶道に対する理解が深まれば嬉しいなと・・・

32150312

利休にたずねよ←アマゾンへのリンクではないのは、極力街の書店を利用して欲しいなと思いまして。。。

アマゾンは非常に便利ですし、大変ありがたい面もありますが、便利さと引き換えに、町の書店を失う事もなんだか心配ですので。。。皆さん極力町の本屋さんで本を購入しましょう!

 

 

 

 

 

09/4/25 追記
利休にたずねよ
を読んでの感想。お茶を一度もたしなんだことがない外野の人間の戯れ言として聞き流してくださいね。

ある方の勧めで、この本を読んでみた。
茶の湯、茶陶は、私にはまだ理解できない上に、価値体系の理解が難しそうだということもあり、あえて近づかないという面もありましたが、せっかくの機会でしたので読んでみることにしました。

 読んでわかったことは、茶の湯というものは千利休が作ったと思っていた自分の無知さ。知らないということは怖いものだと思いました。
 整理してみると、茶の湯は室町頃から存在し、華やかで珍しい道具や、高価な道具を鑑賞する、比べあう、華やかに飾る書院の茶というものが存在し、それに対する反動で生まれたと思われる、冷え枯れの侘び茶が流行していた時期に、まだ「あざとさ」が残っていたものを、利休は、枯れた中にも生命の息吹を感じさせる芸術へと昇華させた人なのだという事がわかった。
 どこにでもあるようなものを珍重し価値を高めてしまうという「ピカソの絵的な」いかがわしいビジネス的な臭いを拭い切れたわけではないが、それはもっと関連書籍を読んだり、一級といわれる茶器類を多くみてみる必要があると思う。
 勝手な想像だが、戦乱という血なまぐさい時期が長かったために、人々、特に血なまぐさい時間を長く過ごしてきた時の武将達は利休が生み出すというか、さりげなく焦点を当てる「命の芽吹き」というものに敏感に救いを感じ取ったのではなかろうかと思われる。
 世の中には、狂と美が背中合わせになっている「美」と、そうではない「美」いわゆるまっとうな「美」(どちらかというとこちらが王道)があるという事。
 今までの価値観を壊し、権威に屈せず、自分の感じるものを具現化するためにストイックに突き進む利休には「狂」の側面を感じました。ただし、この狂と背中合わせの美は、現場間、ライブ感、それが生まれているその時がその「美」のピークであると思いました。
 過去の模倣色が強い、形式ばった今の茶道より、次は何がでてくるか、どのような意表の付き方をするのか、既成概念をどのように壊してくれるのかわからないような、利休の生み出す時間と空間の方が、今の茶道よりダイナミックで面白かったに違いないと思われます。既成概念は利休が嫌ったもののように思えて仕方がない。ただ、反発だけで終わらず総合的に完成させたところが利休の偉大さなのかもしれない。
 利休が見せたかったもの、表現したかったもの、求めていたものは、主は道具や形式にあるのではなく、人の心であるという事。静寂に耳をそばだてて聞こえてくる、見えてくる人の心の機微を敏感に感じ取る心が大事なのだと思えて仕方がない。
 長い戦乱があったが故に、人々が新しい生命の息吹を心の奥底で求めていたことを感じ取り、その空間を提供したのではないかと思うが、歴史を知らない私の勝手な想像の範囲を超えないだろう。それは、これからの勉強で確認していくテーマの一つだと思う。

利休が死を迎えるその日の朝から始まり、時間を前後しながら、視点となる人物が入れ替わりつつ緩やかに時間を遡りながら、物語を浮き彫りにしていくという手法が面白い。

茶の湯への興味を引き出すいいきっかけになったと思う。

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コメント

鋭い視点ですね。
ごもっともです。
あと、山上宗二の章の際に、
目利きの秀才が陥りやすい点について
のっています。
ぜひご覧ください。ご期待ください。

マネ、モネなどの近代絵画がそうだったんですよね。
権力者の肖像画や、宗教画等が封建時代の芸術でしたが、芸術はそれだけではありませんからね。


>鋭い視点ですね。
実は、上記の流れを、日本に当てはめてみただけです(笑)

ロックミュージックにおける、パンクムーブメントも似たような感じですね。
それの、米国の黒人版がHIPHOP・・・
ちょっと強引でした・・・

まぁ、でもこういう会話ができるのは非常にありがたいです。

山上宗二編見られました?
千利休の茶席では、道具の目利きより、お客様をたてることが優先すべきであると言う言葉は心に響くでしょ。

人生の哲学書ですよ。
この本はですね。

お返事遅くなりました。昨日読了いたしました。
茶の湯の歴史をほとんど知りませんでしたので、どこまでがフィクションでどこまでが史実に基づいているのか迷いながら読みましたが、
茶道というものが、本来は形式主義的ではなく、自由でのびのびとというよりも、ダイナミックで躍動的な芸術であった事が理解できた事がよかったです。

見た目はおとなしいけど、内にはものすごい権力者への反骨精神がやどっているのが、利休の茶の湯ですね。
辞世の句には、「秀吉など相手にしておられぬわ。」という気迫が伝わってきます。
「人生七十 力囲希咄 吾這の宝剣 祖仏共に殺す ひっさぐる我が得具足の一太刀(ひとっ
たち)今此の時ぞ天に擲つ」

当時の茶の湯と、利休に興味が出てきました。
またいろいろと教えてください。

清志ちゃん

「へうげもの」も観てみて。

http://hyouge.exblog.jp/

これですか?
機会があれば読んでみますね
ありがとうございました。

へうげものですか?
古田織部が主人公だそうですね。

追記を読んで、渕上さんの物事の深奥を読み取る審眼にには感服いたします。
理解が深いですね。
ただ利休のすごかった所は、ひとつの法則を壊し、新しい法則を発見し、作ってしまったということです。だから、利休型がいまでも残っています。ここは並みの茶人にはできなかったことですね。
天才は型をつくるといいますが、羨ましいかぎりです。

>追記を読んで、渕上さんの物事の深奥を読み取る審眼にには感服いたします。

いえいえ、無知故というのも大きいと思います。既にこんなえらそうなこと書かなけりゃよかったと思ってますから(笑)。

>利休型がいまでも残っています。
ここがすごいところですよね。

モダンアートはどんどん難解な方向へ進んで行き行き詰ったのに対し、茶の湯は「茶道」として何百年も生きている。この違いは大きいですよね。

しかし、この追記良いですね。
改めて今みましたが、流石です。
利休は既成概念を崩す意外性の楽しさを侘びさびにもとめたのではないでしょうか?

褒めすぎです。(笑)
第一歩目の、小説を読んでの感想なので、小説の影響が大きいですね。
これから、名品を見たり、お茶をしてみたり、様々な事を見聞きしながら、自分の中の利休観ができるのだと思います。
利休さんは、そうやって追っかけてみる価値のある人物だとは思います。
そのきっかけの1冊ですね。

あと、漫画でしたら、柴門ふみ著の「はんなり」が侘びさびを易しく理解するのに、お勧めですね。

ありがとうございます。機会があれば読んでみます。

次に何がでてくるかわからない。
渕上さん、鋭いなあ。
この魅力のことをを京都の人は侘びさびというんだな。
真髄をついちゃいましたね。

追記のなかに真髄ありですね。
渕上さんただもんじゃないなあ。(笑)

所詮、お茶をたしなんだ事がない外野の人間の戯言です。
利休さんの精神性に近づくためには、現代社会は情報や刺激に溢れすぎていると感じています。
意図的に情報や喧騒を遮断するとかでもしないと、きっとわからない世界ではないかと思います。
猛烈に拡大していた資本主義がサブプライムショックで小休止し、
「ちょっと待てよこれでいいのか?」
という時代の空気感が、私の茶道や禅への興味を引き起こしているように思えます。

精神性の深さ、美しさを茶碗という器で表現したもの、これこそが名碗といわれている物でと思います。

スミマセン。コメントいただいていたことに先ほど気付きました。
私の場合は、名碗なるものを数多く見る必要がありますね。
お茶の世界に興味をもてただけでも、利休にたずねよや、へうげものを読んでよかったと思います。

残念なのは、日々の喧騒にばかり気をとられ、侘び寂をもっと知りたいという気持ちが後回しにされつつあることです。
日々の生活を見直して、心にゆとりのある生活を送りたいものです。

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