鹿児島 沈寿官窯 訪問
所用で、鹿児島へ行って参りましたが、翌日の空いた時間に前から一度は行ってみたかった沈寿官の窯へ訪れました。
門の入り口に、韓国の国旗と、日本の国旗が揚げられており、韓国、朝鮮に対するアイデンティティの強い窯なのだと印象を受けました。
有田では、あまりそういうことは感じたことがなかったので、朝鮮の陶工から直系の子孫が残っているかどうかの違いを感じました。
メモ
青釉は14代が開発
通常はガス窯
年に数回登り窯
黒薩摩は登り窯の方が艶があるものが多い
900度で焼成、絵の具は、洋絵の具と和絵の具を使い分ける。
12代の作品の数々がすばらしかった。
有田の深川でもそうだが、明治期の陶工の世界を驚かせてやろう的な気迫を感じる。
透かし彫りは12代が開発した技術、乾燥し堅くならないようにしながら切り取る。
ガラス質の釉薬に貫入が入ることで、光が反射し色に深みがでる。
リンク: 薩摩焼 - Wikipedia.
リンク: 沈壽官(ちんじゅかん)ホームページ.
とても風情のある窯元さんでした。
入り口に太極旗
手入れの行き届いたお庭を通ってギャラリーへ
敷地内に登り窯。年に数回、黒ものを焼くようです。
併設の資料館?がとても素晴らしかったです。
12代の作品が多く展示されていました。よくもまぁこんな神がかり的な良品がこんなに沢山残っているなぁと感心しました。
有田でもそうですが、明治期の陶工たちの「これで世界を驚かせてやろう」的な、気迫を感じました。写真の品は万博出品の品ではありませんが、微塵の隙も感じさせない、厳しさを感じます。
絵付けの技術、色の発色等、深みがありずっと眺めていても飽きません。
こちらも、究極的なお品。明治天皇に献上したものと同じもので、破損に備え予備に作っていたものだそうです。
こちら、大きなものではなく、小さいのです。驚異的な精緻さの絵付けの技術です。
伝統的に、白薩摩は島津家へ献上
黒薩摩は庶民が使用とのことですが、
こちらは、島津家用の黒薩摩だそうです。御前黒と呼ばれるそうです。梨地的に金色が見られ、一般のものとは発色が違いました。
12代が開発したという透かし彫り。何のためにここまでという精緻さ。ずいぶんと自分の仕事に対して厳しいお方だったんだろうなぁと思わずにはいられません。
12代の沈寿官さんにとても興味が湧いてきました。
写真の向きはゴメンナサイ。
オラの大事な米がぁ~~っ!これが現実であれば背筋が凍りますが、やきものとしての作品的にはとってもかわいいなぁと・・・
こちら、蓋を開けると裏側にもねずみちゃんの顔とか、胴体がございます。
この徹底的加減がしびれます。
桜島です。鹿児島にいると他の街と何か違う雰囲気を感じました。それは、島津家の存在感なのだろうかと思いました。
日本史には疎い私ですが、鎌倉時代に始まり、戦国時代を生き抜き、江戸から明治にかけての時期にもその存在感を放った島津家にちょっと興味が湧いてきました。
リンク: 島津氏 - Wikipedia.
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