先日、有田に行って参りました。
メインの目的は、青木龍山回顧展。リンク: 青木龍山先生遺作展.
08年の三越の展示を見逃してしまったことがとても心残りでしたので、この展示に行くことができてよかったです。
真右エ門窯→九州陶磁文化館→清六窯 と回りました。
九陶に行く前に寄らせてもらったのが、真右ェ門窯さん。
幸運にも、馬場九州夫さんとお話する事ができました。
松本佩山→名前を失念してしまいました→青木龍山さん と続く、陶芸作家の流れ、
日展の歴史、ベースになっている考え方等を伺うことができました。
個人的に、伝統工芸展の方が、いいなぁと思うものが多く、日展は自分の理解を超えているものが多い理由もわかりました。見る側(私)の「美」とは何かという概念が浅いから、自分の許容量を越えるものを理解できないのだろうということなんだろうと思います。
青木龍山さんの作品も数点見せていただいたのもラッキーでした。天目もよかったですが、昭和40年代?の勢いのある絵の染付の花瓶も良かったです。
青木龍山さんの作陶姿勢や、苦労話等も伺えたのもよかったです。
真右ェ門窯さんは、有田には珍しく、多彩な釉薬の品々がとても面白いです。
一気に沢山は買えませんが、コツコツとこちらの窯のお品を集めています。色の発色などは1点1点違いますので、宝石をお好きな方は結構好きになる確率は高いような気がします。HPもカッコイイですよ。http://www.sinemon.com/
今回のお品はこちら。
耀変金花文ぐい呑み。チタン系の釉薬なんだそうです。
私はお酒飲まないので、このぐい呑みでエスプレッソを飲むというめちゃくちゃな使い方をもくろんでいます。
さて、本題の九州陶磁文化館の青木龍山展ですが・・・
消化不良的で、感想をうまくいえませんが、
個々の作品が持つ、存在感、重厚感、破壊力がとてもすごく、見ているととても疲れました(笑)
それだけ、一つ一つの作品が持つエネルギーがすごいのだと思います。
http://www.pref.saga.lg.jp/at-contents/kanko_bunka/k_shisetsu/kyuto/aoki1.html
爆発しそうな感情を、陶磁器の中に封じ込めているような・・・。青木龍山というと、まず「天目」が思い浮かびますが、造形や絵柄も大変重要なんだと思います。
昭和後期や、平成生まれの世代には、このようにエネルギー溢れる作品は作れるのだろうかという疑問が湧いてきます。
今後は、彼の作品に対する意欲の源はどこにあったのかを生い立ちや、時代背景等を参考に考えてみようと思いました。
最近、癒し系等という言葉が流行していますが、ここに展示されている品々は、そういうものとは対極とまではいいませんが、見る側にもエネルギーを必要とするというか、物体として存在感がありすぎるというか・・・。まぁ、なんだかすごい作品群でした。
内面、コンセプトか、技術か、その比率の違いが日展と伝統工芸展のエッセンスの違いなのかな?わからないことがいっぱいあるという事は楽しいですね。
一度見ただけでは、私ごときに理解できるようなものではなく、何度も足を運ぶべきものなのでしょうが、場所的になかなかいけるところではないのが残念です。20日まで展示していますので、有田へ行く機会のある方は是非。
この九陶、入場無料なんです。今回の展示に限らず、常設の柴田コレクション(たまに品物が入れ替わります)なども大変すばらしく、いつも思うのですが、お金をとらない理由を考えるのが難しいくらい、すごいボリュームとクオリティーなんです。
龍山展と、柴田コレクション、数時間できっちりみれるわけないですよね。後ろ髪引かれながら
会場を後にしましたが、まぁとにかく九陶はいいトコです。
皆様も是非是非。
で、帰り道、ずっと気になっていながらも、私のような若造がふらりと伺っていいものかと、入ることがはばかられていた、中村清六さんの清六窯へ寄ってきました。リンク: 中村清六・インタビュー・陶芸作家【うまか陶】.
お話を聞かせてもらったのが、清六さんの娘さんの恵美子さん。人柄がにじみ出たお話がとても面白く、たくさん笑わせてもらいました。
こんな楽しいところならもっと早くいっておけばよかったなぁと・・・
恵美子さんと、清吾さんの小皿を購入。
この染付の小皿は、大変きめ細かくツヤがすごいです。伺ってみると、清六さんのものと同じ磁石を使っているそうです。染付の色も独自の顔料を使っているのだそうです。呉須の色や、力強さ、繊細さ、がいいですね。5枚セットは買えないので、バラで2枚購入させてもらいました。
清吾さんの小皿は、マットな質感ですが、清六さんのつや消し釉とは別のものなんだそうです。円形の皿の三方向を切り取り形に変化を出しています。そういったちょっとした工夫が、無表情になりがちな白磁に表情を出してくれるんですね。
個人的なコレクションですが、中村清六さん、恵美子さん、清吾さん 中村家三代の品がそろいました。だから何?と、ほとんどの方は思われるかもしれませんが、私的には満足度高いです。夜中に眺めながらニヤニヤします。>出費した分働け!俺。
長々と失礼しました。楽しい一日でした。
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