「もの」をみる時最近思うこと 2
つづき、
この茶器のセットの銘から、
何代目かわかりませんが、三川内の中里陽山というかたか、もしくは、中里陽山窯で造られた品であることがわかりました。
この、3代続く中里陽山はなかなかスゴイ家系のようで、
中里森三郎、助寿、末太郎 と、明治~平成3年 まで続いた陶芸一家で、
初代?2代?の森三郎氏は、
「工芸技術保存資格者」について
に、そのお名前を拝見することができます。
数々の著名な陶芸家の中に名を連ねています。
3代の中里末太郎氏は、このようなお方だったようです。
明治30年1月26日生まれ。長崎県の三川内焼(みかわちやき)薄手白磁技法の保存伝承者。江戸時代以来の伝統技術を継承し、その保存と発展につくす。昭和47年県陶芸協会を設立、49年県無形文化財に指定された。
昭和3年には宮内省御用達にもなっているようです。
そんな事を知った上で改めてこの品を見てみると味わいもちょっと増すような気がします。特に、薄さと品のよさに妙に納得する部分はありました。
少し調べるだけで、これだけの情報が出てくるわけですから、
薄手の轆轤の技術とか、
絵付けの技法とか、
染付の顔料とか、
焼成方法とか、
技術的なことでもいろいろ発見はあるでしょうし、
別の視点で言えば、なによりこの茶器は昭和のど真ん中を生き抜いた茶器であること。
おそらく、僕の人生よりこの品が生きた時間は長いだろうということ。
あと、2世代くらい頑張れば、骨董品の仲間入りをするであろうこと、
等などが見てとれます。
最近感じ始めたのは、その品物が見てきた時代の記憶のことで、
この品が、どのような時代に生まれ、どういう時代を生き抜いたのか、品物が持つ記憶のようなもの・・・
うーん。文章にできない・・・
骨董品は価値があり、中古品は価値がない
というのは一般的な考えですが、
それは、誰かが決めたことなので、僕はこの中古の世界にも奥深い世界は広がっていると感じています。
数々の無限の情報がある中で、何をチョイスし、何に価値を感じ、それをどう伝えるかは、
私の日々の試行錯誤の一つかもしれません。
ずっと何年も、中古の宝飾品や陶磁器を追いかけて最近見えてきた事はそんなことでした。
「中古は楽しい」「美しいものに古い、新しい は関係ない」「高い技術で丁寧に作られた品を集めることも楽しい」
そんなこんないろんな感じた事を、形にしていくのが、また楽しい。
何書いてんだ?俺。
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