想像力をかきたてられる指輪。
先日、とあるリングを仕入れました。
何の変哲もない、というよりも、今となってはずいぶんスクラップされて減ってしまい、だんだんと見る回数が減ってきた、昭和30~40年代の指輪です。
基本的には、こういう幾ら古くてもデザイン的に珍しいというわけではない製品は、気にもしないんですが、同時代の頃の似たような製品に比べ、石がとても美しく、妙に惹かれるものがあったのです。
当時は、キャストによる量産技術は無いため、職人さんによる手造り品。
ココで考えられるのは、その品がデッドストックの可能性ですが、そういう品がこういう場所に出る事は可能性としては低いだろうし、
枠に仕上げの研磨が施されているようなので、中古品で間違いなさそうでした。
石のコンディションもかなりよい事を考えても、おそらく、前の所有者が大事に大事に持っていたのだろうという事が見てとれます。
大事に扱われていたとはいえ、このリングは、戦後の昭和、そして平成を生き抜いている。僕の人生よりも長く生きている事は間違いないだろうと思われます。
このリングが1960年代に生まれたのであるならば、様々な危機を乗り越えて生き残っていることに対して、おつかれさまといいたいし、
あと50年。もう少し頑張れば、アンティークジュエリーへの仲間入りができる扉が開かれていて、材料に還るか、製品としていかすかは、私の選択にかかっている事も感じます。
単なる、「古い指輪」で済まされるか、そうでは無いかは見る人次第。
同じモノを眺めていても、入ってくる情報は全く変わってきます。
「古い!潰しじゃ!」ではなく、多分、いろんな事を考えた方が、きっと楽しい。
「モノ」には沢山の情報が含まれている事を最近感じます。
現実的には、スクラップされてもいたしかたない製品がほとんどだったりしますが、
できれば、その辺の感度も高めて、潰されたりばらされる前に、なんとか次のユーザーへ橋渡しできるような品を探したいと思っている今日この頃です。
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